「ティンパウ物語 蛇神の杯」 堀切リエさん著

Tittle:ティンパウ物語 蛇神の杯
Author:堀切リエ
Publisher:長崎出版

私は児童書が好きで、本屋に行くと必ず児童書をチェックするのですが
これは今バイトしている所の近くの本屋さんがポップを立てていたので手に取ったモノです。
多分地方小出版だなぁと思って手にとりました。
上橋菜穂子さんの作品でアジア系のファンタジーは人気が出てるんだろうなぁ、なんて思いながら。
上橋菜穂子さんの作品は良いですよね。


Story:
ククモイは踊りが大好きな少女。数年に一度のオーナンチュ島で行われる式典の踊り子の一人だ。
式典当日、ステージに上がる前に踊り子の仲間たちと一緒に、体を清めるといって、知らない老婆に飲み物を飲ませられそうになる。飲んだ他の仲間は皆、蛇に変えられてしまった。ククモイと友人のネアクは寸前で祖母から貰った魔よけの御守りによって逃れられる。
逃げ出して戻ると、式典はすでに始まっていた。母親に事情を話して、二人は踊り始める。蛇になった仲間の分も二人で。
二人は謎の黒づくめの老婆の使っていた杯を奪っていた。それが昔からの言い伝えのある、いわくつきの代物だった。
二人は精霊の子<マウ>の力を借りながら、オーナンチュの忘れられた歴史を紐解きながら仲間を元に戻すために、オーナンチュを救うために様々な人の力を借りて奮闘する。


言葉も衣装も、沖縄ベースなのが前面に出ていた。

精霊の設定が、個人的には物足りないけれどそれでも、精霊の子たちの個性が凄く魅力的だった。
特にハディ! ククモイを追いかけて、懸命に力になろうとする。
本当に、ただひたすらな感じが素敵ですねぇ。
ナーガとか、儀式とか舞いとかがとにかく細かくて、
目に浮かぶように想像できた。
特に終盤の緊張感が凄かった。
それまで、文化や社会の対立は細かく書かれていたけれど、文自体は軽いかな、とは思っていたのに、いつの間にか緊張感に飲み込まれていた。
最後のククモイの舞い終わった後、
別れたくないと涙するシーンはぐっと来てしまった。
正直、ククモイにもナーガにも、珍しく主要人物にあまり感情移入できずにストーリーを追うためだけに読む感じだったのに、
それでもぐっと最後に込み上げるものがある。
それって凄いことだ。

これはつまり神話的な話なんですが、
大人には軽いけれど、子供には少し難しいかな、って感じの文章でした。
でも、
神の存在について考えるし、感じることができました。
今、読まれるべきかな、ってぼんやりと思いました。
神様は遠くて近い存在。
居るか居ないかは分からないけれども、
そういう存在がどこかに常に在ると思うと、不思議と背筋が伸びる気がする。
それってとても必要なことだと思う。



蛇神(ナーガ)の杯―ティンパウ物語
長崎出版
堀切 リエ


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この記事へのコメント

堀切リエ
2010年08月09日 13:14
突然すみません。おじゃまします。
拙著のことを書いていただいたので、検索していたらここにつながりました。
丁寧に本の紹介と感想を書いてくださって、どうもありがとうございます。
ところで、伺いたいことがあるのですが、そのポップをたてていたという書店はどこですか?
ぜひ教えてください。
ここに書いていただけばいいのかしら。
それとも私のHPのメールに入れていただいても。
お時間のあるときにお願いします。
http://www012.upp.so-net.ne.jp/shirie08/index.html

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